「タニカワ先生、職場では部課長は、部下に率先して挨拶をすること。なんていう対応が人事部から回ってきて困ってるんですよ。部下のメンタルヘルス対策としての指導規定なんですけどね。どうにかしてくださいよ」と気さくで闊達なJさんが先日、私に話しかけてきました。
Jさんとは、社内健康管理スキーム制作で外部支援コンサルタントとして定期的にご訪問しているので親しく話すようになりました。
そもそもメンタルヘルス対策をすると、会社で働くふつうの、健康な社員にとってどういうメリットがあるのか?この根底がよく理解できていないと、従来からよくある単なる産業保健活動と捕らえてしまうんですねえ。職場が理解しなければならないのは、今まで痒い所に手が届かなかった箇所への対策だと思っていただければよろしいのかと思うんですよ。
たとえば、心の健康問題を抱える従業員の復職支援もメンタルヘルス対策にはやらなければならない重要な対策の一つです。一つなのですが、復職支援は第3次予防なんですよね。治療して治ってきてからの予後の対策です。
本当の第1次予防、そう、「予防」は、職場の一体感や多様性への配慮、つまり職場環境です。復職支援者自身への対応も重要ですが、こうした風通しのよい職場には復職してきた従業いんにとっても、どんなに心身の助けになってくれるか計り知れません。
第1次予防としてのメンタルヘルス対策
第1次予防としてのメンタルヘルス対策、つまりメンタルヘルスケアは従業員の積極的な心の健康を育成するという視点からの支援です。同時に、復職してきた従業員の病気の回復具合に配慮した健康教育支援も行えます。健康管理とは、こうした職場で一緒に働く同僚や上司など周囲とのつながりをもたせることで、部署や会社の一体感まで全社員が感じ取れるようになるでしょう。
ある文献に職場のストレス対策について、その費用対効果を計算しデータ化し、驚くべき結果が明らかになりました。それは、職場環境改善に1投資したとすると、会社の生産性が約6倍アップした※という分析結果がでまています。
貴殿の職場では、積極的なメンタルヘルス対策活動が行えていますか?
※吉村健祐他6名:日本における職場でのメンタルヘルスの第一次予防対策に関する費用便益分析,産業衛生学雑誌,55(1):11-24,2013
最新記事 by タニカワ久美子 (全て見る)
- ストレス対処に特化したホームページにリニューアル中 - 2021年3月24日
- ストレスを正す!ストレス研修の重大要素 - 2021年3月24日
- 生産性が上がる組織をつくるエモーションストレス管理 - 2021年3月24日
































