「タニカワ先生、聞いてください!私、痩せているのにこう見えてお腹ぽっこりなんです。だから腹筋はじめたんですよ。」50歳になったばかりの更年期真っ最中の女性経営者のAさんとランチでの会話です。
タニカワ「良い運動習慣ですね。腹筋トレーニングは、上体起こしですか?」
Aさん 「ええ、先週からちょこちょこやっています。でも全然お腹がひっこまないんですよ。食事だって気をつけてるのに・・・」
確かに、肥満度を示す体格指数(BMI)から診断すると、Aさんは痩せすぎにはいります。お腹ポッコリを凹ますためには食事でのダイエットはあまり意味がありません。ましてやAさんのように体重を減らすのではなく、体型を変えるためなら食事改善よりも先ず自らの体重を支える筋肉の見直しからスタートさせるのがポイントです。今回は、筋肉をつけるためのタンパク質と糖質の関係についてお話しします。
筋肉の中味は
身体の役40%は骨格筋(こっかくきん)という筋肉でできています。骨格筋の中味、つまり骨格筋の成分は半分がタンパク質でできています。と言うことは、筋肉が増えるとタンパク質の量も増えるということになります。骨格筋が生み出すエネルギーのうち3分の1は、このタンパク質からエネルギーが作り出されています。
エイジングにより、タンパク質からエネルギーが作り出しづらくなる理由
20歳を過ぎると、骨格筋の量は約5~10%づつ減っていきます。怖いことに50歳過ぎて中高年になると30~40%もの骨格筋量が桁違いに減ってくることが研究報告されています。
加齢に伴うサルコペニア現象
年をとることで筋肉量が減ったり、筋肉の機能が衰えることをサルコペニア(sarcopenia))と呼びます。サルコペニアはラテン語で、サルコは肉を、ペニアは減少と言う単語です。筋肉量が減るサルコペニア現象があらわれると、
・転びやすくなったり
・糖質制限ダイエットをしているのに血糖値が下がりづらくなる(インスリン抵抗性の増加)
・ケガをすると治りが遅く、皮膚に痕がのこりやすくなる(皮膚組織の修復に必要な、たんぱく質の分解成分であるアミノ酸の供給不足)
など、筋肉が減るということは、筋肉ムキムキの身体になれないなんてことではない女性の敵でもあるアンチエイジングの真逆を進行させる緊急事態なのです。
筋肉が減るとタンパク質が上手に使えない身体の事情とは
加齢にともない、更年期でホルモン量が変化したり、ストレスフルな生活などが複合して絡み合い、どんなに良質なプロテインを飲んでいてもタンパク質としての働きができなくなっています。食事でとるタンパク質(英語でプロテイン。プロテインは、マッチョにな人が水に溶かして飲む粉だけがプロテインではありません。プロテインとは、日本語でタンパク質のことなんですから)は、カラダの中で消化され分解されるとアミノ酸と言う形で血液の中にとりこまれます。そして血流に乗って今度は、筋肉の細胞の中に入っていきます。筋肉中にはいったアミノ酸は遊離アミノ酸となって初めて筋肉として利用されます。
詳しく言うと、遊離アミノ酸の中のBCAA(分岐鎖アミノ酸)の内のロイシンという成分がメッセンジャ-となり、筋肉に健康情報をアップデートさせてくれています。文章で書くと、頭の中でタンパク質がこんがらがってしまい余計にわかりづらくなってしまったかもしれませんね。ただ一つだけ覚えていていただきたい事は、タンパク質の骨格筋へのとりこみは、加齢により低下してしまうということです。
加齢に伴い、糖質とタンパク質をいっしょに食べると筋肉の老化がおさえられなくなる
10代・20代前半あたりまでは、ご飯やパンをたくさん食べてお肉もガッツリ食べることで、サプリメントなんて摂らなくても筋肉へのタンパク質合成率が2倍も上昇します。炭水化物+肉の相乗効果が、効率よくカラダの中で働いてくれます。しかし、中高年がご飯を食べながら肉料理を食べると、筋肉へのタンパク質の取り込みは若者とは真逆の事態となり低下させてしまうことが明らかになっています。
加齢に伴うタンパク質の消化吸収障害の理由として、パンやご飯、デザート、スイーツといった糖質をとることで血糖値が上がります。上がった血糖値を下げる働きをするホルモン・インスリンが分泌されます。このインスリンと言うホルモンは、タンパク質同化ホルモンとも呼ばれていますが、加齢になるとインスリンの効きが悪くなることが原因で、食事でのタンパク質の消化吸収作用が低下しているのではないかと現在の研究結果から考えられています。
体脂肪だけ減らし、筋肉をつける。体型づくりの運動法
椅子に座ってながら筋トレは、最高の効果をもたらしてくれます。「運動後1時間~2時間するとタンパク質の合成速度が増加する」と言うエビデンスもあります。この場合、注意して頂きたいのが筋トレは強い負荷で行ってはいけません。低~中度の、「全然きつくない」「まあ軽く出来る」程度の筋トレとタンパク質をとることを組み合わせれば骨格筋量の増加と筋機能の維持につながるっていきます。
ランチにお肉や魚でタンパク質をとり、午後のデスクワークで腹筋を意識してお腹をひっこめるだけでOK!お腹ひっこめは、立派な腹筋トレーニングです。
さあ今日も元気に!健やかにお過ごしください。
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