「コマーシャルで流れてた」「テレビ番組で言ってた」とメディア情報をうのみにして間違った健康行動をしていませんか?特に、笑いをねらいとしているバラエティ番組での健康情報は、予備知識を前提にテレビを見る事が必要です。そんなメディア健康情報の中でも特に注意が必要な「水分補給」についてタニカワ久美子が解説します。
目次
ありがちな水分補給の落とし穴
年齢や日常生活での身体活動の度合い、体力、はたまたスポーツをしている時としていない時での水分摂取量は、身体の違いだけでなく一人一人全く違います。だから水分補給もお一人お一人に合ったものにアレンジして飲むことで疲労回復が早まったり、熱中症や脱水予防につながります。秋になって涼しくなったからと言って水分を適切に摂らないと貧血や疲労、ダイエットの失敗にもつながります。
体温を調節するための水分
私たちのカラダの約3分の2、60%は、水分でできています。生まれたての赤ちゃんの水分は、80%もあり瑞々しいフルーツのようです。あかちゃんは、汗をかいたりする体温調節の機能や水分代謝機能がまだつくられていないため、成人の水分よりも20%ほど多く保持しています。そのため、暑かったり、急な寒さなどには体温調節し機能が出来上がっていないため、即刻、生命に関わる事態になってしまいます。赤ちゃんの水分量が多いのは、生命保持のリスク管理としての瑞々しさなのです。
一方、高齢者は、筋肉量の減少などで水分量が成人の60%よりも10~20%少ない状態にあります。水分量だけでなく体温調節機能や水分代謝機能も衰えてきます。そのため気温が高くなると皮膚から汗を出して気化させ、体温を下げることができにくくなるので、赤ちゃんと同様に寒暖差には注意が必要です。
水分が奪われるのは、汗だけではありません
体重70㎏の大人が、1日じっとしていても約2,5リットルの水分が必要と言われています。その内訳は、食べ物に含まれている水分で1リットル+飲み水で1,2リットル+食べた糖質や脂質が消化吸収する過程でつくられる水(代謝水)が0,3リットルです。詳しくご説明すると、糖質のうち一番多い「ブドウ糖(C6H12O6)」は、炭素6つと、水素12こと、酸素6つがくっついたものです。このブドウ糖がエネルギーに代わると、二酸化炭素(CO2)と水(H20)が発生します。運動をすると体温が上がって体温を下げるために水分補給しなければなりませんが、エネルギーを出していると少しだけ水も作られているのです。でもこの代謝水では、到底、必要な水分補給には及びません。
反対にカラダの外へ排出される水分量は、おしっこやうんちとして1,6リットル+肺からの呼吸に混ざる水蒸気や、皮膚全身にある汗腺から絶えず出ている汗で0,9リットルあります。「えっ!今日は肌寒いくらいで汗なんてかいてないわ」と思われがちですが、皮膚が汗で濡れる、滴るほどではなくても汗腺から水蒸気としてうっすら水分は出ているのが春秋の気温です。
こうしてじっとしていても呼吸をしているので、無意識無自覚で真冬でも1日に最低1リットルは失っているのです。涼しい日にたくさんウォーキングしても、それほどの度が渇かないのは、排泄する水分量と、産生する水分量がほぼ同じなので、熱中症や脱水になりづらいのです。
体温調節に必要な体液の3つの仕事
-
- カラダの水分のことを体液とも呼んでいます。体液には、食べたものを水に溶かす「溶解作用」
- 血液やリンパ液などの水分によって栄養成分や老廃物をを運搬する「運搬作用」
- 汗による「体温保持作用」
体液は、他の物質に比べ温まりにくく冷めにくい性質を持つ比熱が大きいため、気温が急激に下がっても体温はすぐに下がりません。また気温が高くなると、汗を出して汗の水分を蒸発させることで皮膚温を下げます。汗をかくことによって皮膚表面が冷えると、皮膚の下を流れている血液の温度が下がります。血液は全身を流れていますから必然と体温がさ上がる仕組みです。体温調節は、素晴らしい身体システムですね。
汗は、右ふくらはぎだけを動かしたからといって、右ふくらはぎだけが汗をかくわけではありません。全身で汗を出して体温調節をしてくれます。体熱を下げるには、気温や湿度、風力といった気象条件によっても大きく変わってきます。
もしも体熱を調節機能ができなくなると、体温は上昇しつづけてしまいます。さらにカラダにこもった熱によってタンパク質でできている筋肉や酵素などの性質が変わり死に至ります。水分補給は、気温が低くなった10月以降も意識して飲むことをおすすめします。水分を保持することによってカラダの機能調節である酵素が働き、疲労回復もスムーズになります。「私、水を飲んでも太るの」「私、水太りだから」なんて思っていらっしゃる方、その水分補給は正しく行われていますか?水分は、こまめにちょこちょこと、湿度が下がってくるシーズンの補給法で毎日を健やかに!The following two tabs change content below.
株式会社 けんこう総研 代表取締役: 食事と運動の両面から正しいメンタルヘルスケアの在り方を提唱。メンタルヘルスケアの研修事業を通して、様々な企業や職種の健康経営を支援。特に、昨今では「感情労働」の職場が抱える問題にアプローチ。 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科健康スポーツマネジメント修了。 健康経営アドバイザー(東京商工会議所認定)管理栄養士。 著書に『職場のメンタルヘルスケアと実践』


最新記事 by タニカワ久美子 (全て見る)
- ストレス対処に特化したホームページにリニューアル中 - 2021年3月24日
- ストレスを正す!ストレス研修の重大要素 - 2021年3月24日
- 生産性が上がる組織をつくるエモーションストレス管理 - 2021年3月24日
































