先日、都内にある大手企業様との打ち合わせで、「うちの会社は、ご覧のとおり、遣り甲斐のある仕事をしてますのでストレスチェックをしても、嬉しいことに高ストレス者が、全国平均より低いんですよ」と人事担当の方が自信をもってお話くださいました。
目に見える形で即、成果が出る業務というのは実にやりがいがあると思います。徹夜がつづいても、終電で帰宅する毎日がつづいても努力が報われたらそれはどんなに素晴らしい仕事でしょうか。
でもちょっと待ってくださいね。たとえパワハラもセクハラもない居心地の良い職場であろうと長時間労働が続いたらメンタル疾患のリスクは高くなります。成果という報酬により、どんなに長時間労働であろうとへっちゃらと、脳が疲労をマスクしてしまうからです。ほら、翌早朝からの大好きなゴルフは、前の晩どんなに遅くても目覚まし時計なして起床できるのと同じ作用です。
どなたにも、好きな事、成果が表れやすい事には心身が疲れていても、それを忘れさせてくれるほどポジティブ神経伝達物質が脳からでてくるからです。それは個人的には、ある意味幸せな人生です。
しかし、会社の立場としては大きく異なります。労働案衛生法では、長時間労働に伴う、健康障害の制度がのっています。
『労働者の週40時間を超える労働が、1か月あたり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる時は、労働者の申し出に基づき、意思による面接指導を実施しなければならない』とあります。
「いや、うちでは誰も申し出てないから」というのは適用されません。最高裁判所でも長時間労働と、精神疾患の発症やそれに基づく自殺との因果関係を認めたからです。会社で、長時間労働をなんとかしようとしている対策を取っていなかった場合、管理監督者や会社は、従業員に対する安全配慮義務を問われる可能性がでてきます。
だからといって、実際に働いているご本人たちは、率先して嬉々として仕事をしている場合など、必ずしも外労働時間が多いほど認定件数が多くなるという関係でもない点が悩ましい所です。(※参考文献 精神障害等に係る労災補償)
遣り甲斐があれば、時間外労働は何時間働いても良いのか?この問題解決には、個人レベルでのメンタルヘルス対策と職場レベルでのメンタルヘルス対策を明確に位置づけたスキームが必要です。貴殿の職場では個人レベルと会社レベルでの対策を変えていますか?
※引用
労働安全衛生法66条の8・安全衛生法則52条の2第1項・52条の3
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